脂肪酸 |
体内での主な作用とはたらき |
脂 質 |
・1gあたり9kcalのエネルギー源となる。
・細胞膜、核膜などの生体膜の構成成分となる。
・血液成分となる。
・貯蔵脂肪となる。
・ステロイドホルモンを合成する。
・脂溶性ビタミンの吸収を助ける。
・植物油はビタミンEを供給し、酸化脂質が増えるのを防ぐ。
・生理活性物質を生成する。 |
はたらき
・細胞膜や血管を強くする。
・血圧を上げる。
・中性脂肪を増やす。
・血中コレステロールを増やす。 |
飽和脂肪酸 |
・コレステロールを増やす。
・中性脂肪を増やす。
・血小板を凝集させ、血液の粘度を増す。
・血液を流れにくくし、細胞に酸素や栄養素が送られにくくする。 |
こんな人に
・肉、魚、卵、乳製品などをあまり食べない人。 |
オレイン酸 |
n-9系列の不飽和脂肪酸。
・血中コレステロールを減らす。
・胃酸の分泌を調整する。
・腸を滑らかにし、腸の運動を高める。 |
はたらき
・動脈硬化を予防する。
・心筋梗塞、狭心症など虚血性心疾患を予防する。
・X線、放射線から体を守る。
・胃酸過多や胃潰瘍を予防し、改善する。
・便秘を予防、改善する。 |
こんな人に
・血中コレステロール、中性脂肪が高めの人。
・胃酸の分泌の多い人。
・肉類や加工品を多く食べる人。 |
リノール酸 |
n-6系列の代表的な多価不飽和脂肪酸。
・γ-リノレン酸、ジホモ・γ-リノレン酸、アラキドン酸を合成する。
・血中コレステロール値を下げる。
・血圧を下げる。
・α-リノレン酸のEPA,DHAへの変換を阻止する。 |
はたらき
・高コレステロール血症を予防する。
・高血圧症を予防、改善する。
・心筋梗塞を予防する。
・コレステロール系胆石症を予防する。
・動脈硬化を予防する。 |
こんな人に
・肉や加工食品、バターなどを多く食べる人。
(飽和脂肪酸の多い食物をリノール酸の多い食物にかえる。) |
α-リノレン酸 |
n-3系列の多価不飽和脂肪酸。
・体内でEPA、DHAを合成する。
・ガン細胞を変化させ、増殖を抑える。
・血圧を下げる。
・血栓を解消し、血液の流れをよくする。 |
はたらき
・脳細胞を活性化する。
・脳硬塞、心筋梗塞を予防する。
・高血圧を予防する。
・ガンの発生を抑制する。
・アトピー性皮膚炎、花粉症、気管支ぜんそくなどアレルギー性疾患を改善する。 |
こんな人に
・アトピー性皮膚炎、花粉症、気管支ぜんそくなどアレルギー性の症状がある人。
・肉、加工食品、バターなどをよく食べる人。
(飽和脂肪酸の多い食物をα-リノレン酸の多い食物にかえる。) |
γ-リノレン酸 |
ビタミンFとも呼ばれ、生体内でリノール酸から合成されてできる脂肪酸。
・血糖値を下げる。
・血圧を下げる。
・血中コレステロール値を下げる。
・血栓を解消し、血流の流れをよくする。 |
はたらき
・高血圧を予防する。
・動脈硬化を予防する。
・心筋梗塞を予防する。
・糖尿病を予防、改善する。
・肥満を予防する。
・腫瘍をできにくくする。
・月経前症候群を改善する。
・アトピー性皮膚炎を予防、改善する。 |
こんな人に
・アトピー性皮膚炎などアレルギー症状のある人。
・アルコールを多く飲む人。
・偏食の人。 |
アラキドン酸 |
食物から摂取しなければならない、必須脂肪酸のひとつ。
・免疫系の機能を調節し、全身の様々な症状を予防、改善する。
・血圧を調節する。 |
はたらき
・血圧を下げる。※過剰になると血圧を上げる。
・血圧の凝固を抑制する。※過剰になると血液の凝固を促進する。
・動脈を収縮させる。
・肝細胞を保護する。
・消化管の運動を活発にする。
・胃液の分泌を抑制し、胃潰瘍を予防、改善する。
・子宮を収縮させ、月経困難症などを改善する。
・胎児、乳児を正常に発育させる。
・血中コレステロール値を低下させる。
・アトピー性皮膚炎などアレルギー症状を改善する。
※過剰になると症状を発症させる。 |
こんな人に
・妊娠、授乳期の女性で、アラキドン酸が不足している場合
・動物性の食品、植物油のいずれもあまりとっていない人。 |
EPA(エイコサペンタエン酸) |
n-3系列の多価不飽和脂肪酸。国際的にはIPAの呼び名が一般的。
・血小板の凝集を抑制する。
・血栓を溶解させる。
・血管を拡張する。
・悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす。
・血液中の中性脂肪を減らす。
・抗ガン効果がある。
・アラキドン酸の作用を抑制する。 |
はたらき
・脳卒中を予防する。
・高血圧を予防、改善する。
・動脈硬化、心筋梗塞を予防する。
・高脂血症を予防、改善する。
・ガン(大腸ガン、前立腺ガン、乳ガン)の発ガン、増殖、転移を予防する。
・アレルギー症状を予防、改善する。
・慢性関節炎など炎症性疾患を予防、改善する。 |
こんな人に
・血圧、血中コレステロール、中性脂肪などが高めの人。
・アトピー性皮膚炎などアレルギー症状のある人。
・炎症性疾患のある人。
・肉や加工品を多く食べる人。 |
DHA(ドコサヘキサエン酸) |
n-3系列の多価不飽和脂肪酸。
・悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やす。
・脳、神経組織の機能にかかわる。
・血小板の凝集を抑制する。
・血圧を下げる。
・血液中の中性脂肪を減らす。
・炎症を抑制する。
・抗腫瘍効果がある。
・アラキドン酸の作用を抑制する。 |
はたらき
・脳卒中を予防する。
・痴呆症を予防する。
・血栓を予防する。
・狭心症、心筋梗塞を予防する。
・高血圧を予防、改善する。
・動脈硬化を予防する。
・慢性炎症性大腸疾患を予防、改善する。
・慢性皮膚炎を予防、改善する。 |
こんな人に
・血圧、血中コレステロール、中性脂肪などが高めの人。
・炎症性疾患のある人。
・肉や加工品を多く食べる人。
・痴呆症を予防したい人。
・ガンを予防したい人。 |
スクワレン |
深海ザメの肝油中の90%を占める油性成分。
・新陳代謝を活発にする。
・肝機能の障害を改善する。
・胃や腸壁の潰瘍、炎症を修復する。
・乾燥肌をうるおす。
・火傷や傷を治す。
・水虫など皮膚病に効果がある。 |
こんな人に
・肝臓病が心配な人。
・胃腸の弱い人。
・肌荒れが気になる人。 |
コレステロール |
脂質の一種の遊離脂肪酸。
・細胞膜の原料となる。
・副腎皮質ホルモンを合成する。
・消化液である胆汁酸の原料となる。
・太陽光線に当たるとビタミンDの先駆物質をつくる。 |
はたらき
・細胞膜や血管を強くする。
・神経組織に存在し、情報伝達に関与する。
・性ホルモンによって性的能力を高める。
・黄体ホルモンによって妊娠を維持する。 |
こんな人に
・動物性食品をあまりとらず、タンパク質、脂肪などの摂取が少ない人。
・貧血ぎみの人。 |